一般財団法人環境イノベーション情報機構
EU&中国 炭素回収・貯留(CCS)事業で協力
【地球環境 地球温暖化】 【掲載日】2009.07.03 【情報源】EU/2009.06.25 発表
欧州委員会は、6月25日、中国と共同で行う炭素回収・貯留(CCS)実証事業について、財政支援計画を定めた。これは、2020年までに、EUと中国において、CCSを通して、石炭からのCO2排出量を限りなくゼロにする技術を開発・実証するという約束に沿ったものである。
CCSは、気候変動対策として重要な技術であり、中国のように急速に発展し、石炭に依存している新興国では、発電所からのCO2排出量を削減するポテンシャルがある。
EUと中国は、2005年に、CCSを含め、気候変動対策で協力するとした「気候変動共同宣言」に合意している。
今回採択された文書は、中国でCCS技術を実証するための発電施設の設計・建設に対し、共同で財政支援する投資スキームを設立する計画を示すもの。欧州委員会では、クリーン石炭技術、CCS技術に関する新興国との協力事業に6000万ユーロを用意しているが、このうち、5000万ユーロをこの事業(建設・操業)に充てる。
なお、中国で炭素に価格をつける「カーボン・プライシング」が導入されると想定すると、利用する技術にもよるが、今後、CCS技術を利用した発電所を中国で建設し、25年間ほど操業する際の追加的なコストは、3〜5億5000万ユーロに上ると推計される。【欧州委員会環境総局】