一般財団法人環境イノベーション情報機構
ソチ冬季五輪、2010年FIFAワールドカップも気候中立を目指す
【地球環境 地球温暖化】 【掲載日】2009.02.20 【情報源】国連/2009.02.11 発表
2014年ソチ冬季オリンピックから2010年FIFAワールドカップまで、主要なスポーツイベントにおいて、環境戦略の一環として、カーボン・フットプリントをトータルでゼロにすることを目指す動きが広がっている。これらのスポーツイベントが、UNEPの「気候ニュートラル・ネットワーク(CN Net、気候中立ネット)」に新たに参加した。「CN Net」は低炭素経済・社会に向けた世界規模の行動と参加を促進するイニシアティブで、1年前にUNEPが開始した。現在では、国、地方自治体、企業、国連組織やNGOなど約100団体が参加している。
2014年にロシアで開催される、ソチ冬季オリンピック・パラリンピックでは、「カーボンニュートラル(炭素中立)ゲーム」の開催を目標に掲げる。省エネや再生可能エネルギー分野に約17億5000万ドルを投資し、運輸インフラを改善するとともに、飛行機での移動や陸上交通機関の利用、電力消費に伴う温室効果ガスについては、相殺(カーボンオフセット)する予定である。また、他の環境面での取り組みとして、ソチ市内での緑地帯の創出、ソチ国立公園での森林再生が盛り込まれている。
また、アフリカ地域初のサッカーワールドカップとなる、2010年FIFAワールドカップ(南アフリカ開催)では、CO2換算で200万トン以上の温室効果ガスを気候中立化することを目指す。試合に伴う国内のCO2排出量は、680万〜1200万ドルで相殺(カーボンオフセット)できる見込みだが、海外からの移動に伴うCO2排出量は、この2倍の経費がかかることが調査でわかった。開催国の南アフリカでは、ワールドカップのためのカーボンオフセット制度を検討しており、実施のためのドナーを探している。さらに、南アフリカでは、2010年までにバスや電車を改善するため、数百万ドル規模の「公共交通インフラ基金」を打ち出している。
この他、雪や氷で覆われた路面で行われるモータースポーツの祭典「2009年ラリー・ノルウェー」、10万人以上の観客が訪れる世界的なモーターボート競技「ノルウェー国際グランプリ」、及び 「ノルウェー・ゴルフ連盟」が、新たにCN Netに加盟した。【UNEP】