一般財団法人環境イノベーション情報機構
ドイツ 公共調達で地球温暖化防止
【地球環境 地球温暖化】 【掲載日】2008.12.12 【情報源】ドイツ/2008.12.01 発表
ドイツ連邦環境省のガブリエル大臣は、12月1日、研究報告書「公共調達による環境産業政策と地球温暖化防止への貢献の可能性に関する調査」の完成を発表した。これは、連邦環境省が、マッキンゼー・アンド・カンパニー社に委託して実施したもの。連邦、州、自治体は、調達における年間支出に2600億ユーロを拠出しており、巨大な市場ポテンシャルがある。このうち500億ユーロ以上が、環境市場に投資されている。この研究では、どのように地球温暖化防止に配慮した調達を実施し、経費を削減し、環境市場を開拓することができるのかといった点を調査した。
研究成果の概要は下記のとおり。
●公共機関は、環境市場に約510億ユーロを投資している。内訳は、地方自治体は320億ユーロ、州は60億ユーロ、連邦は130億ユーロ。交通、建築物の新築・改修、エネルギー調達が大部分を占めている。多くの部門において、公共機関は、重要な需要者であり、投資者である。
●多くのケースで、経費削減の可能性と環境負荷削減の可能性がある。例えば、交通部門においては、ドイツ国内では約38,000台の路線バスが導入されており、毎年、約3000台が新しく調達されている。この市場で公共部門が占める割合は50%を超えている。ハイブリッドバスの燃料消費量は、通常のバスより30%少ない。バスの寿命全体で見ると、ハイブリッドバスは通常のバスより12万ユーロも得である(ハイブリッドバス購入による追加的な費用として3万ユーロ必要だが、燃料費を15万ユーロ削減可能)。
●公共機関は、2006年時点で、ドイツ国内の温室効果ガス排出量の4%を占める(CO2換算で42.8Mt)。このうち23.5Mtは建築部門である。学校の校舎は、その中でも最大の割合を占める(6.7Mt)。この研究で提案された対策を実行することにより、2020年までに温室効果ガス排出量を約12Mt削減することができる。【ドイツ連邦環境省】