一般財団法人環境イノベーション情報機構
持続可能な観光のための世界初のクライテリアを公表
【自然環境 自然とのふれあい】 【掲載日】2008.10.17 【情報源】国連/2008.10.06 発表
スペイン・バルセロナで開催中の国際自然保護連合(IUCN)第5回世界自然保護会議で、10月6日、世界で初めての持続可能な観光(サスティナブル・ツーリズム)のための基準「世界規模での持続可能な観光クライテリア(GSTC)」が発表された。この新しい基準は、多くの優良事例に基づいたもので、持続可能な観光を実践する手引きとして共通の枠組みを提供し、企業や消費者、政府、NGO、教育機関が観光を通して地域コミュニティや環境を支援するために策定された。
策定に取り組んだのは、国連財団、熱帯雨林同盟、UNEP、世界観光機関(WTO)などの27の団体で構成する連合組織「GSTCパートナーシップ」。15ヶ月以上にわたって専門家や観光業者と協議し、60件以上の既存の認証制度や自主的な基準をレビューした上でクライテリアを開発した。出来上がったクライテリアについては、環境保護団体や企業経営者、政府機関、国連機関など8万人以上に意見を求めたという。
クライテリアは、(1)観光が地域コミュニティにもたらす社会的経済的利益を最大化すること、(2)文化遺産に対する悪影響を減らすこと、(3)地域環境への悪影響を減らすこと、(4)持続可能性のための計画づくり、という4つの分野に重点を置いている。
世界観光機関のフランチェスコ事務局長は、「観光業は最も成長著しい産業のひとつ」だと指摘し、持続可能な開発や貧困撲滅に貢献する姿勢を強調した。【UNEP】