一般財団法人環境イノベーション情報機構
イギリス 国内CO2排出量は減少すれども、輸入に伴うCO2排出量は急増中
【地球環境 地球温暖化】 【掲載日】2008.07.09 【情報源】イギリス/2008.07.02 発表
イギリス環境・食糧・農村地域省は7月2日、イギリスへ輸入される製品・サービスに伴うCO2排出量を測定した報告書を公表した。報告書によれば、輸出入及び国際輸送も考慮した場合、イギリスの製品・サービスの消費に関連したCO2排出量は、1992年から2004年にかけて約18%(CO2換算で115メガトン)も増加。他方、イギリス国内では、同時期、製造過程やエネルギー生産の見直し等によりCO2排出量は約5%減少している。
イギリスへの輸入品に含まれるCO2の大半は、アジア諸国等OECD域外からの製品によるもの。過去数十年で排出量が急増した理由としては、近年これらの国々へイギリスのメーカーが移転したこと(これらの国々では生産一単位当たりのCO2排出量が多い)、これらの国々からの輸入が増加したことなどが挙げられている。
ヒラリー・ベン環境大臣は、「国際的な気候変動条約では、国内での排出量に関してしか直接的な影響力を持ち得ないが、低炭素経済に移行していくためには、メーカーや個人は、自分達が作る、売る、あるいは消費する製品・サービスの生産国がどこであろうと、それらがもたらす環境影響を理解し、削減していくことが重要だ」と述べた。
なお、イギリス環境省は来週、「製品と原料に関する進捗報告書」を発表予定。製品とサプライチェーンの環境パフォーマンス向上に向けた取り組みを提示する。【イギリス環境・食糧・農村地域省】