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環境ニュース[海外]

イギリス研究グループ 森林・土壌が、地球温暖化を加速する可能性を指摘

地球環境 地球温暖化】 【掲載日】2001.04.04 【情報源】イギリス/2000.11.08 発表

 イギリス気象オフィスのハドレー気候予測・調査センター(the Meteorological Office’s Hadley Centre)は、気候変動が進むと、CO2吸収源と見られている森林・土壌がやがてCO2排出源に変わり、さらに温暖化を加速する可能性があることを、11月9日発売の科学誌「Nature」誌上で明らかにした。
 気象オフィスとサウザンプトン海洋学センター(Southampton Oceanography Centre)がコンピューター・モデルを用いて共同で行った研究によると、地球の温暖化が進むと、2050年頃を境に、植物や土壌が大気中にCO2を排出するようになるという。主な原因は、暖かい土壌中の植物の呼吸量が増えることと、乾燥によりアマゾンの熱帯林が崩壊することにある。こうした温暖化の「フィードバック効果」により、さらに温暖化は加速し、2000年から2100年までの間、地球の平均気温は6℃上昇するという。この予測は、フィードバック効果を考慮しなかった場合と比べ、2℃高くなっている。
 研究を行ったピーター・コックス博士(Dr Peter Cox)は、「現在、植生や土壌は、人間活動に起因するCO2排出量の4分の1を吸収しているが、我々の研究結果では、暖かくなるにつれ、大気中にCO2を排出し、気候変動を加速することを示唆している。気候変動のフィードバック効果について一層の研究が必要だ」と述べた。
 また、同じくNature誌上で発表されたイギリス気象オフィスのリチャード・ベッツ博士(Dr Richard Betts)の論文は、植林には、期待されるほど温暖化を緩和する効果がないことを示している。なぜなら、森林は、周囲の土地よりも暗く、太陽の熱を吸収しやすいためである。世界の北部の森林について言えば、太陽熱を吸収することで、地表の冷却効果を相殺してしまうことになるという。このため、カナダやシベリアの一部では、植林はかえって温暖化を加速することになるという。
 イギリス環境大臣は、「これらの研究は、京都議定書の目標を達成するためには、真に排出を削減する必要があるという我々の見解を裏付けるものだ。吸収源シンク)に対する懸念も明確になった。シンクについては慎重に考える必要がある」と述べた。【イギリス環境・運輸・地域省】

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