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環境ニュース[海外]

IPPC指令の実施に大幅な遅れ 欧州委員会はIPPC実施行動計画で対処

環境行政 行政資料】 【掲載日】2005.11.24 【情報源】EU/2005.11.03 発表

 EUの統合的汚染防止・管理指令(IPPC指令)の実施に関する最初の報告書が公表され、欧州委員会は、その実施が遅れていることに重大な関心を寄せている。
 本指令の目的は主要な産業活動(工場、発電所、大農場等)から、大気、水域及び土壌に有害物質を排出することを規制し、制限するものである。必要な許可の発行が遅れれば、指令によって期待される環境改善効果も得られないとして、欧州委員会は、加盟国に、2007年10月の期限を遵守するよう強く求めた。
 今回の報告は、2000年から2002年まで、EU15カ国の45000施設を対象としている。概ね、本指令の国内法化は遅れ、8つの加盟国に対して違反手続が取られている。本指令に基づき、EU域内の大規模工業施設及び農業施設は、利用可能な最善の技術に基づく国からの操業許可を得なければならない。新規及び建替中の施設は1999年10月30日まで、既存施設は2007年10月30日までに、こうした許可を得なければならない。報告の対象期間中、5545施設(全施設の約13%)が新規または実質的な変更として、許可を得ている。既存施設に対する許可発行の詳細なデータは受け取っていないものの、わずかなデータからはEU15カ国の中でかなりの差があり、進捗は芳しくないことが読み取れる。
 このため、欧州委員会は、IPPC実施行動計画を策定し、具体的な対策を示した。具体的には、ガイダンス文書の策定、発行された許可の数のモニタリング、大規模排出源における遵守のチェックなどの対策が盛り込まれている。
 また、この報告をもって、欧州委員会は、産業部門からの排出に対する規制的枠組みの評価の一環として、同指令の見直しを始める。諮問グループが加盟国及び関係者との協議及び対話を行い、2006年には公聴会を開催する。2007年には見直しを完了し、委員会がその結果を報告し、可能であれば立法提案を行う。【欧州委員会】

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