一般財団法人環境イノベーション情報機構
欧州環境閣僚理事会 REACHについて議論 気候変動に関する決議を採択
【環境行政 その他(環境行政)】 【掲載日】2005.11.01 【情報源】EU/2005.10.14 発表
欧州環境閣僚理事会が、議長国イギリスの下、10月17日、ルクセンブルグで開催された。今回の閣僚理事会では、EU新化学物質規制(REACH)について政策的な議論が行われ、また、モントリオールで開催される第11回気候変動枠組み条約締約国会議・第1回京都議定書締約国会合に向けて、閣僚理事会の決議が採択された。REACHについては、議論の結果、議長国イギリスが提案している妥協案について、幅広いコンセンサスができつつあると総括された。イギリスは、生産量が1〜10トンの化学物質について情報提供に関する要求事項を絞ること、生産量が10〜100トンの物質についても要求事項を改善すること、さらに、1物質1登録(OSOR)アプローチにより、企業間での情報の共有及び共同での情報提供を認めることなどを提案している。閣僚理事会は、次回の競争政策閣僚理事会(2005年11月に開催)における、REACHに関する政治的な合意に備え、詳細な検討を進めるよう常任代表委員会に指示した。なお、競争政策閣僚理事会は、10月11日に、REACHの登録制度について審議し、イギリスの提案に対して幅広い支持が表明された。
また、気候変動に関する決議では、モントリオールでの会議において、議長が合意を目指している以下の点、すなわち、(1)クリーン開発メカニズムの効率化、(2)共同実施メカニズムを実施できるようにする(監督委員会の設置など)、(3)気候変動の影響、脆弱性及び適応に関する科学的・技術的・社会経済的側面についての5年間の調査プログラム、(4)地球環境ファシリティの資金提供に関するガイダンス について、議長を全面的に支持すること、また、2012年以降の問題ついても、気候変動枠組み条約の目標を達成すべく、条約の実施方法に関する検討プロセスをリードしていく方針が盛り込まれた。2012年以降の取組みについては、これまでの気候変動対策の経験(市場ベースのメカニズムの活用など)、環境効率、費用対効果の改善、「共通だが、差異のある」責任及び各国の能力に応じた参加の拡大、開発目標を持続可能なやり方で進めるといった点を重視することとしている。さらに、問題の緊急性、及び民間投資・公共投資に確実性をもたらす必要性を考慮し、明確なタイムテーブルと実施のためのメカニズムが必要だという点が強調されている。
この他、閣僚理事会では。より良い規制に関する議論が行われた。また、欧州委員会のディマス環境委員から、航空産業と気候変動に関する協議や、EUの持続可能な開発戦略の見直しについて報告があった。【欧州閣僚理事会】【欧州委員会環境総局】