一般財団法人環境イノベーション情報機構
欧州市民にとって 環境は経済・社会政策並みに重要〜ユーロバロメーター調査結果を公表
【環境行政 行政資料】 【掲載日】2005.05.18 【情報源】EU/2005.04.29 発表
欧州の人々にとって、健全な環境は、生活の質にとって、社会的・経済的要因と同じ程度に重要であることが、ユーロバロメーター調査により明らかになった。この世論調査は、2004年10月27日から11月29日にかけて、各EU加盟国で実施されたもの。今回は、環境に関する態度について、初めて、EU25カ国全体で調査が行われた。
主な調査結果は以下のとおり。
●回答者の88%は、経済政策や雇用政策など他の分野の政策を立案する際に、環境に配慮すべきであると答えた。また、生活の質に影響を及ぼす事項として、環境を挙げた人は72%に上った(「非常に」、「かなり」影響を及ぼすとした人を合わせたデータ)。経済的要因を挙げた人は78%、社会的要因を挙げた人は72%であった。
●環境に関する意思決定を行うレベルとしては、EUが最適とした人が33%、各国政府が最適とした人が33%であった。
●人々が最も危惧する環境問題は、水質汚染(47%)、油の流出事故や産業事故などの人為災害(46%)、気候変動(45%)、大気汚染(45%)、化学物質(35%)の順となった。ただし、旧EU15カ国と新加盟国10カ国とでは、かなり違いがある。例えば、気候変動は、旧加盟国では1位となったのに対し、新加盟国では7位に留まった。
●環境問題について十分に情報提供されているか、という問いに対しては、54%が十分としながらも、44%が不十分であると回答している。特に、化学物質のヒトの健康への影響(41%)、遺伝子組換体(40%)については、十分でないとされた。
●環境情報源としてどこを信頼するかについては、環境保護団体(42%、前回調査(2002)より6ポイント減少)、科学者(35%)、テレビ(27%、前回比9ポイント増加)の順となり、メディアに対する信頼が増した。【欧州委員会環境総局】