一般財団法人環境イノベーション情報機構
ウズラなど鳥類27種の繁殖分布が大幅縮小 第6回緑の国勢調査
【自然環境 野生動植物】 【掲載日】2005.04.08 【情報源】環境省/2005.04.08 発表
環境省生物多様性センターは、第6回自然環境保全基礎調査(通称:緑の国勢調査)の一環として(財)日本野鳥の会と連携実施した、国内鳥類の繁殖分布調査の結果を2005年4月8日までに報告書にまとめ公表した。緑の国勢調査は日本全国の自然環境の現況・改変状況をとらえた自然環境保全施策の基礎資料として、環境省が1973年度からおおむね5年ごとに実施している調査。
99年度から04年度までを調査期間とした第6回調査ではほかに、「植生調査」、「巨樹・巨木林調査」、「浅海域生態系調査(生態系多様性調査)」や「中大型哺乳類調査(種の多様性調査)」が行われている。
今回まとまった「鳥類繁殖分布調査」は、国内に生息する鳥類577種の繁殖・生息に関する目撃情報を、20キロメートル四方を区画単位として対象種ごとに全国集計したもの。78年に実施された第2回緑の国勢調査の結果と比較し、約20年間の全国の分布状況の変化の把握をめざした。
公表された結果によると、調査データが得られた鳥類248種のうち79%にあたる196種については、繁殖の分布や繁殖情報の確かさ度に大きな変化がなかった。
しかし繁殖分布の増減が大きかった種も見られ、カワウ、アオサギ、ダイサギなど23種と新たに確認された外来種ガビチョウ、ソウシチョウは、繁殖区画数が前回調査より150%以上増えるなど繁殖分布が大幅拡大。一方、ウズラ、アカモズ、シロチドリなど26種と外来種ベニスズメは、生息区画数が前回調査の40%に落ち込むなど繁殖分布の大幅縮小がみられた。
なお大幅縮小が見られた種のうちでも特にウズラは、前回調査の確認区画数46区画から今回5区画に激減。ベニスズメも確認区画数が42区画から1区画に落ち込んでいる。【環境省】