一般財団法人環境イノベーション情報機構
オオクチバス規制に11万件近い意見集まる 外来生物法規制対象種案への意見募集結果
【自然環境 野生動植物】 【掲載日】2005.04.06 【情報源】環境省/2005.04.05 発表
環境省と農林水産省は平成17年2月3日から3月2日にかけて実施した、「特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律(外来生物法)」で規制対象とする「特定外来生物(日本の生態系や在来種に悪影響をもたらす外来種)」選定案への意見募集結果をまとめ、17年4月5日に公表した。「特定外来生物」に選定されると、飼育・栽培、保管、運搬、輸入などが原則禁止となるが、今回の案に盛り込まれたのは、アライグマなど哺乳類11種、ガビチョウなど鳥類4種、カミツキガメなど爬虫類・両生類7種、オオクチバスなど魚類4種、ヒアリなど昆虫類3種、キョクトウサソリなど無脊椎動物1科(全種)4属(うち2属は全種、ほかの2属は計7種)、ミズヒマワリなど植物3種。
このうち、釣魚として人気がある北アメリカ原産のオオクチバスについては、この1種のみを検討するための小グループ会合が設置されたが、同会合でも議論が紛糾。最終段階で一転、選定案入りした経緯があり、意見募集時の一般からの反応が注目されていた。
今回の公表内容によると、最終的に個人から11万3,252通、団体から540通−−計11万3,792通の意見が寄せられ、うちオオクチバスに触れた意見が10万7,815件あった。うち「目先の楽しみのために日本の自然を損なうべきではない」などと選定に賛成する意見は1万2,195件あったが、一方「生態系や漁業への影響について科学的調査データが十分ではない」、「指定により釣りに関係する産業や地元経済に悪影響を及ぼす」などの反対意見も9万5,620件に及んだ。
なお環境省と農林水産省では、反対意見に対し「専門家会合でオオクチバスは生態系に被害を及ぼすと評価されている」、「外来生物法は生態系への被害防止のために特定外来生物を選定するもので、釣りやキャッチアンドリリース自体を規制するものではない」との見解を示している。【環境省】