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環境ニュース[国内]

女川1号機の手動停止 弁の着座不良による窒素ガス漏れが原因

エネルギー 原子力】 【掲載日】2005.04.05 【情報源】原子力安全・保安院/2005.04.05 発表

 東北電力(株)は平成17年2月25日に女川原子力発電所1号機(沸騰水型:定格電気出力52万4,000キロワット)が手動停止した件で原因究明と対策についての報告書を17年4月5日に提出した。
 女川原発1号機は定格熱出力で運転中だった17年2月24日に原子炉格納容器への窒素補給量が通常より増加していることが判明。東北電力は補給量増加は容器からの窒素ガス漏れが原因である可能性があるとして、24日23時40分に原子炉を手動停止を決定し、25日に手動停止を行っていた。
 原子炉格納容器は原子炉圧力容器やポンプなど重要な機器を覆っている密封容器で原子炉事故が起きた場合に放射性物質を閉じこめる役割がある。事故時に水素が発生して燃焼することを防ぐため、通常運転時には容器内に窒素を封入している。
 今回の報告は、高圧注水系タービン排気ライン逆止弁シート部はじめ11か所で窒素ガス漏れが起こっていたとしているが、漏えい率は過去の格納容器漏えい率検査で計測された範囲内で、格納容器の気密性に影響を与えるものではなかったと説明。
 ただし格納容器への窒素補給回数増加は、主に高圧注水系タービン排気ライン逆止弁からの窒素ガス漏れが関与していると特定。その原因を逆止弁のアームと弁体ロッドの接合部の隙間に磨耗でできた粉が付着したことに加え、弁体ロッドがわずかに変形したことにより、弁体着座不良が発生したためと推定した。
 対策としては、(1)着座不良が発生した高圧注水系タービン排気ライン逆止弁の弁体ロッドの補修、シート面の点検・手入れの実施、(2)微小な漏えいが確認された箇所全ての点検・補修、(3)高圧注水系タービン排気ライン逆止弁と類似弁についての定期検査時の点検実施、(4)運転中の格納容器の気密性確認方法の規定−−が盛り込まれ、報告を受けた保安院としてもその内容を妥当であるとの判断を示している。【原子力安全・保安院】

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