一般財団法人環境イノベーション情報機構
難燃剤製造工場などの臭素系ダイオキシン類排出実態調査結果を公表
【健康・化学物質 ダイオキシン】 【掲載日】2005.03.31 【情報源】環境省/2005.03.31 発表
環境省は、平成15年度に行った臭素系ダイオキシン類排出実態調査の結果を17年3月30日までにとりまとめた。臭素系ダイオキシンは通常のダイオキシン類の「塩素」の1つ以上が「臭素」に置き換わった物質。塩素が1つだけ臭素に置換したものを「モノ臭素ポリ塩素化ダイオキシン類」、全ての塩素が臭素に置換したものを「ポリ臭素化ダイオキシン類」という。臭素系難燃剤が混入している家電製品のプラスチックなどが不完全燃焼すると発生するとされており、毒性は通常のダイオキシンと同程度とされている。
今回の調査は難燃剤製造工場2工場と難燃(防炎)繊維加工工場3工場を対象に、排出ガス、排出水(総合排水、工程排水)、建屋内空気に含まれる臭素系ダイオキシンを調査するとともに、周辺の大気、降下ばいじん、公共用水域水質、底質も調査した。
その結果では難燃剤製造工場と難燃(防炎)繊維加工工場とも、排出ガス、排出水、施設周辺環境から臭素系ダイオキシン類を検出。排出ガスの臭素化ダイオキシン類濃度は低く、施設周辺の環境大気中の濃度も高くなかったが、排出水については、一部の工程から高濃度で検出されたほか、難燃(防炎)繊維加工工場周辺の水域からも一般環境に比べて比較的高い濃度の臭素化ダイオキシン類が検出された。また、調査した工程、施設以外からも臭素系ダイオキシン類が発生/排出されている可能性も示唆されている。【環境省】