一般財団法人環境イノベーション情報機構
「京都議定書目標達成計画」策定に向けた報告書まとまる 産構審小委員会
【地球環境 地球温暖化】 【掲載日】2005.03.16 【情報源】経済産業省/2005.03.16 発表
経済産業省の産業構造審議会地球環境小委員会は、「地球温暖化対策推進大綱」を見直し、それに代わる「京都議定書目標達成計画(注1)」の策定に向けた報告「今後の地球温暖化対策について」を2005年3月16日までにまとめた。この報告は現行対策を推進した場合でも、2010年度の日本のエネルギー起源CO2排出量が、京都議定書の基準年である90年より6.4%超過するため、現行の「地球温暖化対策推進大綱」でのエネルギー起源CO2排出削減の目標「プラスマイナス0%」を達成するためには、現行対策に加えて二酸化炭素6,700万トン分の追加対策が必要であるとの厳しい見通しを報告。
具体的な追加対策としては、(1)「オフィスビルでのエネルギー管理」、「官公庁、病院、学校など公的施設での省エネ徹底」、「省エネ型製品についての企業からの情報提供」「複数の施設・建物間でのエネルギーの融通や未利用エネルギーの活用」、「改正予定の省エネ法に基づく物流や住宅・建築物の改善」−−など排出量が増大している民生・運輸部門での新たな取組みを提案したほか、(2)産業・エネルギー転換部門についても「原子力発電の推進」、「新エネルギー導入促進」、「天然ガスの利用拡大」、「高効率設備の導入」「改正予定の省エネ法に基づく熱と電気の一体管理」、「代替フロン3ガス対策の推進」−−などの措置の必要性を指摘。
これらをすべて実施した場合に産業部門で7.3%、民生家庭部門で18%、民生業務部門で16.3%、運輸部門で16.3%のエネルギー利用原単位の改善が行われ、「大綱」で目標にしていた2010年時点での国内温室効果ガス排出量の基準年比0.5%削減が達成できる可能性があるとした。
さらに議定書の削減約束マイナス6%のうちマイナス1.6%分は、日本の技術を活かし京都メカニズムの活用でまかなうとの方向性が示されているが、一方で環境税や国内排出量取引制度は、今後多角的な観点からの慎重に検討することが必要だとしている。
(注1)京都議定書が2005年2月に発効したことにより、「地球温暖化対策推進法」が162回国会で改正される見込み。これに伴い、「地球温暖化対策推進大綱」の評価・見直し内容は「京都議定書目標達成計画」の策定に移行することになった。【経済産業省】
記事に含まれる環境用語
- エネルギー転換部門
- 温室効果ガス
- 環境税
- 基準年
- 京都メカニズム
- 京都議定書
- 京都議定書目標達成計画
- 国内排出量取引制度
- 省エネ法
- 新エネルギー
- 代替フロン
- 地球温暖化
- 地球温暖化対策推進大綱
- 地球温暖化対策推進法
- 二酸化炭素