一般財団法人環境イノベーション情報機構
中環審、「地球温暖化対策推進大綱」見直しに関する第2次答申を公表
【地球環境 地球温暖化】 【掲載日】2005.03.14 【情報源】環境省/2005.03.11 発表
2005年3月11日までに、「地球温暖化対策推進大綱」の見直しに関する中央環境審議会第2次答申がまとまった。この答申は、日本の温室効果ガス総排出量が最新の03年度速報データで、すでに京都議定書削減基準年の総排出量を約8%上回っていること、今後「大綱」に盛り込まれた削減効果の確実性の高い対策を実施した場合でも、2010年には基準年総排出量比6%程度超過し、日本の削減約束である「基準年総排出量比マイナス6%」とあわせ約12%の超過する見通しであることを指摘。
新たに策定する「京都議定書目標達成計画」がめざすべき目標として、(1)企業、家庭、業種別、企業形態別など主体別の削減目標の明確な設定、(2)6種類の対象ガス別の削減評価徹底、(3)公共交通機関へのシフトなど社会経済の活動量に変化をもたらす対策の実施−−といった方向性を提案。
また(一)追加的な国内削減対策として、「複数の対策・施策を適切に組み合わせるポリシーミックスの検討」、「データの整備をはじめとする透明性の高い評価・見直しの仕組みの整備」、「地球温暖化対策に関する普及啓発・情報提供の拡充・強化」、「事業者の温室効果ガス排出量の算定・報告・公表制度の創設」、「協定化など事業者の自主行動計画の充実・透明性の確保」、「国内排出量取引制度」、「温暖化対策税」、「サマータイムの導入」、「観測・監視体制の強化」−−に取り組み、2010年に基準年総排出量比マイナス0.5%削減を達成し、あわせて(二)吸収源対策でマイナス3.9%、京都メカニズムの活用でマイナス1.6%をまかなう−−という削減策を提示した。
なお排出部門別では、産業部門で2010年時基準年比マイナス8.6%、エネルギー転換で同マイナス16.4%を達成するとした反面、民生家庭部門は2010年時基準年比プラス6%、民生業務は同プラス15%、運輸部門は同プラス15.1%と、これらの部門の排出増加が大きいことを踏まえた目標を設定している。
なおこの答申に基づいた具体的な「京都議定書目標達成計画」案は05年3月末までに内容をまとめることを目標に現在策定中。環境省は05年4月中に意見募集を実施し、意見を踏まえた最終案を4月末から5月にかけ閣議決定したい考え。【環境省】