一般財団法人環境イノベーション情報機構
アオギスが生息できる東京湾再生に向け道筋示す 検討委員会報告書案への意見募集開始
【地球環境 海洋汚染】 【掲載日】2005.03.07 【情報源】水産庁/2005.03.04 発表
水産庁に設置された「豊かな東京湾再生検討委員会」の分科会の1つ、「アオギス再生特別委員会」は平成17年3月4日までに、アオギスの東京湾への放流と、放流したアオギスが生息できる生態系再生のための環境整備の方向性を示す報告書案をまとめ、この案について17年3月10日まで意見募集を行うことにした。アオギスはキス科スズキ目の魚で、海辺の環境破壊とともに減少し、現在は北九州の限られた地域でしか生息が確認されていない「幻の魚」。しかしかつては日本各地に生息し、東京湾でも江戸時代から昭和初期まで、アオギス脚立釣りが初夏の風物詩となっていた。
「アオギス再生特別委員会」は今回の報告書案で、17年11月に開催される「第25回全国豊かな海づくり大会」で、東京湾環境再生のシンボルとしてアオギス放流を提案するとともに、今後、アオギスが生息できる干潟生態系再生のために、「漁業、文化、環境、生態系に関する専門家などが中・長期的な計画を策定し、取り組めることから実行していく必要がある」と指摘。
また中期計画の内容としては、10〜30年後までに葛西沖と三番瀬を結ぶ海域や盤洲干潟周辺でアオギスが生息できる自然再生を行うこと、長期計画の内容としては、50〜100年後までに東京湾に注ぐ河川集水域から東京湾までの環境再生計画を軸に国家的な取組みを進めていくことを想定している。
意見は郵送、FAX、電子メールで受付けている。【水産庁】