一般財団法人環境イノベーション情報機構
中環審小委員会、温暖化対策税制と関連施策の論点をとりまとめ
【地球環境 地球温暖化】 【掲載日】2005.01.04 【情報源】環境省/2004.12.27 発表
中央環境審議会の総合政策・地球環境合同部会施策総合企画小委員会は、2004年12月27日までに、温暖化対策税制と関連施策に関する論点についての報告をまとめ公表した。今回の報告は、化石燃料に対する課税を公平性、透明性、効率性、確実性に優れた手法と評価した04年8月公表の「中間取りまとめ」の考え方を基本的に継承しながら、温暖化対策税制と他施策との比較、課税による経済への影響、課税の効果、課税段階、税収の使途、既存エネルギー関係諸税との関係−−といった温暖化対策税制に関する重要論点を整理したもの。
(1)社会全体として最も安い費用で排出削減量を確保でき、技術開発や環境ビジネス振興にもつながる、(2)課税によりエネルギー価格が上昇した場合、中長期的なエネルギー消費抑制効果が見込める、(3)温暖化対策税制を導入した諸外国では実際に削減効果があがっている−−など課税効果を強調する一方、GDPや国際競争力への影響は少ないとした。
また具体的な税制の仕組みに関する考え方としては、(一)税率の具体的な水準は、「地球温暖化対策推進大綱」の評価・見直し結果を踏まえ、適切に決定していくべき、(二)消費段階(下流)での課税は、消費者に税負担を意識させ、消費者が削減努力した場合の軽減措置の実施しやすい点に優れるが、輸入・採取時点(最上流)、製造場からの出荷時点(上流)での課税は効率的執行が可能。両者を組み合わせたハイブリッド課税も考えられる、(三)軽減措置は、国際競争力確保、低所得者・中小企業者に対する配慮、削減努力を行う者への優遇など多様な観点を踏まえて検討すべき、(四)税収の使途としてはグリーンな交通の実現、環境設備支援と環境産業の育成、クリーンエネルギーへの転換、森林対策、京都メカニズムの有効活用などが考えられる、(五)目的税・特定財源とし、税収を特別会計に繰り入れることも考えられるが、一般財源として税収を一般会計に繰り入れた上で、温暖化対策のための補助金に使っても、目的税や特定財源とすることと同様の効果を得られる−−などの内容が示されている。【環境省】