一般財団法人環境イノベーション情報機構
茨城県神栖町の16年産米から有機ヒ素化合物フェニルメチルアルシン酸検出
【健康・化学物質 有害物質/PRTR】 【掲載日】2004.12.15 【情報源】環境省/2004.12.14 発表
茨城県神栖町で16年に収穫された米から、有機ヒ素化合物ジフェニルアルシン酸が検出された問題で、国立環境研究所がこの米をさらに詳しく分析した結果、ジフェニルアルシン酸以外に有機ヒ素化合物フェニルメチルアルシン酸も含まれていたことが平成16年12月14日までに判明した。神栖町では15年3月に木崎地区の飲用井戸水から高濃度のジフェニルアルシン酸が検出され、周辺住民に健康被害が発生していることが確認されたほか、その後調査でほかの飲用井戸、農業用井戸とその水を使用した産米からもジフェニルアルシン酸が検出されているが、このジフェニルアルシン酸汚染は神栖町に第二次世界大戦中に設置されていた旧日本軍中央研究所と航空隊の神之池飛行場が関係していると推測されている。
なお今回検出されたフェニルメチルアルシン酸は、ジフェニルアルシン酸に由来する物質であると考えられているが、その生成メカニズム、毒性などは現時点では詳しく解明されておらず、定量分析法も十分に確立していない。
このため、環境省、茨城県、神栖町は協力して、フェニルメチルアルシン酸の分析・定量方法の検討と毒性評価を実施することを決定した。
なおフェニルメチルアルシン酸が検出された農地で16年に収穫された米についてはすでに出荷・流通停止措置がとられ、汚染米常食者に対する生体試料検査を行い、生体試料からフェニルメチルアルシン酸が検出された場合、「緊急措置事業」の適用対象とする方針も決定している。【環境省,茨城県,神栖町】