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環境ニュース[国内]

大飯3号機の冷却水漏れ 複合要因によるひびが原因と推定

エネルギー 原子力】 【掲載日】2004.10.20 【情報源】原子力安全・保安院/2004.10.19 発表

 平成16年5月に、関西電力(株)大飯原発3号機(加圧水型軽水炉 定格電気出力118万キロワット、定格熱出力342万3千キロワット)で、原子炉容器のふたと制御棒駆動装置の接続部分(管台)の付け根や、同じく原子炉容器のふたと温度計測用配管の接続部分(管台)に、1次冷却水に含まれるほう酸の結晶の痕跡が広がっていた件について、関電は原因究明と対策についての報告書をまとめ、16年10月19日付けで原子力安全・保安院に提出した。
 報告は、制御棒駆動装置の接続部分のほう酸の付着原因を、(1)応力腐食割れが発生する可能性がある600系ニッケル基合金を使用していた上に、(2)溶接部の表面仕上げが不十分で、さらに(3)温度などの環境、(4)応力−−などの原因がからみあって、接続部分にひびが入り1次冷却水が漏れたためと推定。
 一方、温度計測用配管の接続部分にはひびがなく、ほう酸の付着は、建設試運転時に接続部分上部のシール部から1次冷却水が漏えいした際、十分にふき取られず残っていたことが原因だとした。
 なおこれらの原因を踏まえた対策としては、(一)制御棒駆動装置の接続部分については、ひびが確認された表面に、耐食性に優れた690系ニッケル基合金を用いた溶接を行い補修する、(二)原子炉容器上ぶたは次々回定期検査時に690系ニッケル基合金を用いたふたに取替える。また上ぶた取替え後、接続部分の詳細調査を行う、(3)上ぶたを取替えるまでの暫定措置としては、原子炉運転中の漏水がないか検知するための装置を特に設置する、(4)次回定期検査時に原子炉容器上ぶたの管台全数について、目視点検で漏えいの有無を確認する−−の4点が示された。
 この報告で示された原因と対策について原子力安全・保安院が妥当であるとの見解を示している。【原子力安全・保安院】

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