一般財団法人環境イノベーション情報機構
核燃料サイクル・バックエンド事業の制度の方向性について中間報告まとまる
【エネルギー 原子力】 【掲載日】2004.09.02 【情報源】資源エネルギー庁/2004.09.01 発表
平成16年8月30日に開催された第21回総合資源エネルギー調査会電気事業分科会で、バックエンド(注1)事業に対する制度・措置の方向性についての中間報告がまとめられた。報告書の主な内容は(1)バックエンド事業全般にわたるコスト構造分析、(2)原子力発電全体の収益性の分析・評価、(3)バックエンド事業についての官民の役割分担、(4)バックエンド事業の制度・措置の方向性。
このうち、バックエンド事業のコスト分析については、16年7月以降6年作成の「核燃料サイクルの経済性試算について」をはじめとする核燃料サイクルコスト試算資料群がみつかったことで、直接処分コストが再処理・リサイクルコストより安いと試算されたにもかかわらず、これまで公表されていなかったことが問題となっているが、今回の中間報告の分析は、「総合資源エネルギー調査会コスト等検討小委員会が16年1月にまとめた現行の原子力計画、エネルギー基本計画の核燃料サイクルを前提としたもので、直接処分に関する試算は行っていない」と断っている。
分析ではバックエンド事業費の総見積もり費用18兆8,000億円のうち、再処理事業費が11兆円(総業費9兆5,000億円、廃止措置費1兆6,000億円)と最も大きいとされた。
なおこの中間報告については7月14日から8月13日まで原案に対する意見募集が実施されており、期間中780通の意見が寄せられ、この中で「コスト試算の真相究明をすべき」との意見は119件あった。
(注1)核燃料サイクルの後半の工程。具体的には使用済燃料の冷却・再処理、回収ウラン・プルトニウムの再加工の各工程と輸送工程、各工程から発生する廃棄物の処理工程のこと。【資源エネルギー庁】