一般財団法人環境イノベーション情報機構
生態系保全促進の重要性指摘 中山間地域等直接支払制度の検証結果
【自然環境 身近な自然の保全】 【掲載日】2004.08.20 【情報源】農林水産省/2004.08.19 発表
農林水産省の中山間地域等直接支払制度について第三者機関として検証を行ってきた中山間地域等総合対策検討会は、平成16年8月19日までに検証結果をまとめ公表した。中山間地域等直接支払制度は、平野周辺部から山間部に至るまとまった耕地が少ない地域(中山間地域)のうち、傾斜が急な田畑や採草放牧地などを対象に12年度から導入された国の支援制度。利用が厳しいこれらの場所で耕作放棄地が増えるのを防ぎ、農業が持っている水源涵養や環境保全など生産以外の機能を保持することが目的で、対象地域で農業を継続すると協定を結んだ集落に交付金を交付している。
今回の検証では(1)耕作放棄地の発生防止、(2)農業・農村の持つさまざまな機能の維持・増進、(3)自律的・継続的な農業生産活動の確立、(4)集落機能−−の4つの観点から評価を行っているが、このうち(2)に関しては、協定締結を契機に「国土保全機能を高める取組み」、「都市住民の保健休養機能を高める取組み」、「自然生態系保全に貢献する取組み」が活発に行われるようになったと回答した集落が、それぞれ48%、37%、17%にのぼったことを踏まえ、この制度が水源涵養など農業生産活動の持つ機能維持に貢献しているほかに、これらのさまざまな機能の増進に貢献していると評価された。
さらに制度を広く理解してもらうためには、特に「保健休養機能を高める取組み」や「自然生態系保全に貢献する取組み」をより積極的に行うことが重要であると指摘されている。【農林水産省】