一般財団法人環境イノベーション情報機構
マグロ類など15魚種501検体の水銀濃度調査を公表
【健康・化学物質 有害物質/PRTR】 【掲載日】2004.08.18 【情報源】水産庁/2004.08.17 発表
水産庁は平成16年8月17日、同庁が14・15年度にかけマグロ類や深海性魚介類を対象に実施した水銀濃度調査結果と、15・16年度にかけ独立行政法人水産総合研究センターが実施した同様の調査結果をまとめ公表するとともに、同日開催された厚生労働省の薬事・食品衛生衛生審議会食品衛生分科会乳肉水産食品部会に提出した。今回調査対象となったのはマグロ類とキンメダイ、サメ類などの深海性魚介類15魚種計501検体。
魚種ごとの濃度平均では、総水銀ではクロカジキの1.16ppm、メチル水銀ではメカジキの0.65ppmが最も高かった。
厚生労働省が昭和48年に設定した魚介類中の水銀の暫定規制値は総水銀0.4ppm、メチル水銀0.3ppmという数値を設定しているが、マグロ類や深海性魚介類は内水面水域の河川産魚介類とともに暫定規制値は適用しないことになっている。
またこの補足措置として、15年6月に厚労省が、魚介類摂食にあたっての妊婦向け注意事項を作成したが、その後JECFA(注1)がメチル水銀のPTWI(生涯にわたり摂取し続けても健康影響が現れない1週間あたりの摂取量)を従来の人の体重1キログラムあたり3.3マイクログラムから体重1キログラムあたり1.6マイクログラムに引き下げたことなどを受け、今回、薬事・食品衛生衛生審議会が改めて、妊婦向け注意事項の見直しを進めることになっている。
(注1)WHO/FAO合同食品添加物専門家会議。【水産庁】