一般財団法人環境イノベーション情報機構
柏崎刈羽1号機復水器真空度低下、予備酸素の供給量設定ミスが原因に
【エネルギー 原子力】 【掲載日】2004.08.06 【情報源】原子力安全・保安院/2004.08.05 発表
定格熱出力一定運転中の柏崎刈羽原子力発電所1号機(沸騰水型、定格電気出力110万キロワット)で平成16年6月21日に復水器(タービンを回した後の蒸気を冷やす設備)の真空度低下が確認され、出力手動降下が行われた件について、東京電力(株)は平成16年8月5日付けで原因究明と対策についての報告書を原子力安全・保安院に提出した。報告書は、復水器の真空度が低下した原因を、(1)復水器や復水器につながる原子炉給水系配管に水素や酸素を供給している「水素・酸素注入設備」の酸素流量調節弁が一時的な動作不良によって緊急停止し、(2)これに伴い緊急用の予備の酸素ボンベから復水器の排気配管へ酸素が注入されたものの、流量・供給量が過大に設定され酸素が必要以上に注入されたため−−と分析。
これに対する再発防止策としては、(一)酸素流量調節弁の部品を新品に交換し、正常に動作することを確認する、(二)トラブルがあった酸素流量調節弁と同型弁を分解点検し、組み立てる場合の注意事項を施工要領書に明記する、(三)予備の酸素の適切な酸素供給量を改めて決定し、流量調整を行う−−などの措置をあげている。
なお原子力安全・保安院はこの原因と対策について妥当であるとの判断を示している。【原子力安全・保安院】