一般財団法人環境イノベーション情報機構
室内化学物質の15年度調査結果 14年度に比べ濃度は低減傾向
【健康・化学物質 有害物質/PRTR】 【掲載日】2004.07.28 【情報源】国土交通省/2004.07.28 発表
国土交通省は平成15年度に実施した室内空気中の化学物質濃度実態調査結果を16年7月28日に公表した。この調査は新築1年以内の住宅を対象に実施したもので、15年度調査は、(1)12年度の実態調査でホルムアルデヒド・トルエンの濃度が室内濃度指針値を超えた住宅に対する追跡調査(夏期・冬期)と、(2)新築1年以内の住宅についての実態調査、(3)事務所や店舗など住宅以外の建築物の調査−−を行なった。
このうち12年度に指針値を超過していた住宅への追加調査では、15年度夏期調査の段階で、超過住宅の割合がホルムアルデヒドで15.3%、トルエンで0%まで減少。物質が大気中に拡散しにくい冬期調査ではそれぞれ0%と1.3%となった(注1)。
また、新築住宅の調査ではホルムアルデヒド、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、スチレン、アセトアルデヒド(注2)の6物質について測定を実施。測定値の平均濃度はホルムアルデヒドで0.04ppm(指針値超過率5.6%)、トルエンで0.017ppm(指針値超過率2.2%)、キシレンで0.004ppm(指針値超過率0.1%)、スチレンで0.000ppm(指針値超過率0.1%)、アセトアルデヒドで0.015ppm(指針値超過率9.5%)、エチルベンゼンで0.004ppm(指針値超過事例なし)。各物質とも濃度・超過事例は大筋で年ごとに低下する傾向にあった。
住宅以外の建築物の調査では、事務所・店舗・ホテルについて新築住宅と同じ6物質について調査を行った。このうちホテルはアセトアルデヒドの5物質で超過事例がなく、平均濃度も事務所や店舗より低めであったが、アセトアルデヒドだけは平均濃度0.023ppm、指針値超過率22.4%と、事務所(平均濃度0.009ppm、指針値超過率2.5%)・店舗(平均濃度0.010ppm、指針値超過率2.6%)よりも成績がふるわなかった。
(注1)超過住宅の割合は7回の調査全てに協力した住宅数をもとにしているため、他の年度の発表と数が異なっている。
(注2)アセトアルデヒドのWHO指針値が誤っていたとの情報に基づき、厚生労働省が国内指針値を再検討中だが、今回は従来の指針値(0.03ppm)に拠った。【国土交通省】