一般財団法人環境イノベーション情報機構
化学物質の環境リスク評価 第3次取りまとめ分の結果を公表
【健康・化学物質 有害物質/PRTR】 【掲載日】2004.07.28 【情報源】環境省/2004.07.27 発表
環境省は平成14・15年度に続き、行政施策上リスク管理の優先度が高いと考えられる化学物質を対象に、環境リスク評価を実施し、その結果を中央環境審議会環境保健部会化学物質評価専門委員会の審議を経て、第3次取りまとめ分として公表した。化学物質の環境リスク評価は、評価対象とする化学物質の(1)人の健康や生態系に対する有害性を特定し、用量(濃度)−反応(影響)関係を整理する「有害性評価」、(2)その物質の人や生態系に対する環境経由の暴露量を見積もる「暴露評価」−−の2種類の評価を行い、双方の結果を比較し、総合的なリスクの程度を判定するもの。
また本格的な環境リスク評価は、(一)多数の化学物質の中から環境リスクが高い物質を絞り込む「初期評価」を実施した上で、(二)有害性・暴露に関する知見を充実させ、環境リスクの低減方策を検討する「詳細評価」を行うことが想定されている。
今回の評価では、21物質について人の健康・生態系両面についての初期評価を、32物質について生態系のみに対する初期評価を実施したほか、第2次とりまとめ分で初期評価を行った物質のうち発がん性が認められた4物質について、発がん性定量的リスク評価を行った上で総合的な健康リスク評価を実施した。
なお健康・生態系両面についての初期評価を実施した21物質の評価としては、アクロレインとピリジンが健康・生態系両面で詳細評価候補とされたほか、エチレンジアミン四酢酸とビスフェノールAが生態リスクに関してのみ詳細評価候補とされた。
一方、生態系のみに対する初期評価を実施した32物質の中では、ニトリロ三酢酸が、発がん性リスク評価では、1,2−ジクロロエタンが詳細評価候補と判定された。【環境省】