原子力施設の１５年度廃棄物管理状況・放射線業務従事者の被ばく状況を公表

【エネルギー 原子力】 【掲載日】2004.07.28 【情報源】原子力安全・保安院／2004.07.27 発表

　原子力安全・保安院は発電用原子炉、研究開発段階原子炉、核燃料加工施設、同再処理施設、放射性廃棄物埋設施設、同管理施設などの設置者から提出された平成１５年度の放射性廃棄物管理と放射線業務に従事している職員の放射線被ばくの状況報告を１６年７月２７日までにとりまとめた。
　報告によると、これらの施設から１５年度中に放出された放射性気体廃棄物・放射性液体廃棄物による放射線量は、全施設について保安規定の年間放出管理目標値（施設周辺の公衆が受ける線量として年間５０マイクロシーベルトを達成するように設定）や、３か月平均の濃度管理目標値を十分下回っていた。
　また放射性固体廃棄物について貯蔵設備容量を超えて保管している施設はなかった。このうち、実用発電用原子炉施設での低レベル放射性固体廃棄物の発生量は２００リットルドラム缶で５万５，１００本相当あったが、六ヶ所村低レベル放射性廃棄物埋設センターへの搬出や焼却などにより約１，１８０本程度を減量。発電所での固体廃棄物の累積保管量も１４年度より約１，１００本減った５２万７，７００本（貯蔵設備容量の６２．４％）となった。
　一方放射線業務従事者の被ばく状況では、全原子力施設で法令に定める線量限度である「５年間につき１００ミリシーベルト、１年間につき５０ミリシーベルト」を下回っており、このうち実用発電用原子炉施設全放射線業務従事者のべ６万６，６００人の被ばく平均線量は１４年度より０．１ミリシーベルト増え１人あたり１．４ミリシーベルトとなっていた。【原子力安全・保安院】