一般財団法人環境イノベーション情報機構
酸性雨・黄砂対策にもなるCDM・JI案件の実現可能性調査で2件の採択決定
【地球環境 地球温暖化】 【掲載日】2004.07.02 【情報源】環境省/2004.06.30 発表
環境省は2004年6月30日、2004年度から新しく始める「酸性雨対策か黄砂対策に貢献し、エネルギー起源のCO2排出抑制対策にもなる」クリーン開発メカニズム(CDM)・共同実施(JI)案件に関する実現可能性調査で、酸性雨対策案件1件、黄砂対策案件1件の採択を決めたと発表した。CDMとJIは、京都議定書に盛り込まれた市場原理を活用した措置「京都メカニズム」の中の制度で、CDMは先進国と途上国が共同で温室効果ガス排出削減プロジェクトを実施し、達成された温室効果ガス削減分の一部(認証排出削減量)を先進国が自国の削減量として充当することを認める制度。また、JIは先進国同士が共同で温暖化対策事業を行い、その事業によって削減された排出削減分を事業の投資国と実施国とで分け合うことができる制度。
温暖化防止のみを対象にしたCDM・JIの実現可能性調査は1999年から毎年度実施され、2004年度も別途募集されているが、今回の調査は、東アジアの酸性雨問題、北東アジアの黄砂問題への対策をCDM・JIの枠組みの下で実施することをめざしたもの。
7団体から寄せられた7件(酸性雨対策3件、黄砂対策4件)の案件の中から、酸性雨対策案件としては(財)日本環境衛生センターによる、中国黒龍江省・吉林省での石炭代替燃料としてのバイオマス利用事業の実現可能性調査、黄砂対策案件としては社)国際環境研究協会によるクズから製造したエタノール自動車燃料の供給事業の実現可能性調査が選ばれた。【環境省】