一般財団法人環境イノベーション情報機構
海面水位、黒潮蛇行の影響で更に上昇か 気象庁が浸水被害への注意呼びかけ
【地球環境 地球温暖化】 【掲載日】2004.07.01 【情報源】気象庁/2004.07.01 発表
気象庁は平成16年7月1日、日本沿岸の海面水位が過去100年間で最も高くなっている状態が続いているため、「一年のうちで潮位が最も高くなる7月から11月にかけての新月・満月前後の満潮時には、特に浸水被害などに対する注意が必要」との発表を行った。海面水位は約20年周期で変動を繰り返しているが、1980年代半ばからは上昇傾向が続き、現在この100年間で海面水位が最も高い状況。特に7月から11月にかけての海面水位は通常の気候でも冬や春より20〜30センチ上昇する上、台風や低気圧などの影響でさらに数十センチ高まる場合もある。
平成16年の場合は更に、黒潮の蛇行も進行しており、黒潮の流れが最南下した時期に海面水位も最も高まるという過去の観測例から、黒潮の蛇行が東海沖に達した場合、東海から関東地方沿岸の海面水位上昇が発生する可能性があると警告している。
なお海面水位の上昇には地球温暖化や海流の変動などの要因が関与しているとみられているが、それぞれの要因が水位上昇にどの程度寄与しているかについてはまだ解明されていない。気象庁では地球温暖化に起因する長期的な海面水位の変動を正確に見積もるため、16年から全国13か所の検潮所に精密型水位計を整備し、従来より高い精度で海面水位観測を行う方針を明らかにしている。【気象庁】