一般財団法人環境イノベーション情報機構
コミュニティ・ビジネスの活動・労働実態調査結果を公表
【エコビジネス その他(エコビジネス)】 【掲載日】2004.06.24 【情報源】厚生労働省/2004.06.18 発表
福祉、教育、環境保全などについての地域密着型のサービスを提供するコミュニティ・ビジネスに注目が集まってきている中、厚生労働省はコミュニティ・ビジネスで働く人の労働条件や求められる能力などについての実態調査の結果をまとめ、平成16年6月18日に公表した。この調査では、コミュニティ・ビジネスを「営利・非営利を問わず、地域の課題を解決し地域の発展に貢献する事業」という広い概念で捉え、NPO、ワーカーズコレクティブ(注1)、有限・株式会社、企業組合(注2)1万団体・社とそこで働く人3万にアンケートを送付し、事業所1,480票、個人2,718票の有効回答を得た。
回答事業所の組織形態はNPO法人が69%と最も多く、有限会社の14%、ワーカーズコレクティブの12%がこれに続いた。
活動の目的としては「高齢者介護・生活支援」(26.3%)、「障害者自立生活支援」(9.4%)、「自然保護、環境保全・美化活動、リサイクル」(8.9%)などが多く、回答事業所の半数が「高齢者に雇用・生きがいの場を提供」、「若年者に雇用・就労体験の場を提供」することに積極的な意向を示している。
働く人の年齢は40歳以上の者が約8割、性別は女性が約6割を占め、報酬形態としては「無償」が28.3%と最も高く、パート(27.6%)、常勤正社員(20.9%)がこれに続いた。
組織の資金面の課題としては「事業収入の頭打ち・減少」、「十分な賃金が払えない」との回答、運営面の課題としては「顧客開拓が難しい」との回答が多く、またワーカーズコレクティブでは「メンバーの意欲維持」や「スケジュール調整」、NPO法人では「活動に対する世間の理解不足」を課題にあげたところも多かった。
一方、働く人がコミュニティ・ビジネスを通じて得たものとしては、「地域における人とのつながりやネットワーク」が最も高い割合だった。
(注1)働く人全員が出資、労働、経営に携わる地域社会への貢献を目的とした非営利団体。
(注2)中小企業等協同組合法に基づいて設立される組合で、全員が出資者である、事業運営に関する議決権を持つ。【厚生労働省】