一般財団法人環境イノベーション情報機構
42農薬の食品を通じた一日摂取量、許容量の0.04〜31.04%に
【健康・化学物質 有害物質/PRTR】 【掲載日】2004.06.22 【情報源】厚生労働省/2004.06.21 発表
厚生労働省は平成16年6月21日までに、平成12・13年度に実施した農産物、畜産食品中の残留農薬検査、13・14年度に実施した加工食品中の残留農薬検査、食品中の残留農薬の一日摂取量調査の結果をまとめ、公表した。このうち農産物・畜産食品中の残留農薬検査は、地方公共団体が実施した検査結果、検疫所での検査結果、厚生労働省の依頼により地方衛生研究所が調査した結果を集計したもの。
農産物の残留農薬検査では12年度で46万7,181検体中、2,826件(0.6%)で残留農薬が検出され、うち、基準が設定されていた26万5,931検体中74件(0.03%)で基準超過がみつかった。13年度では53万1,765検体中2,676件(0.5%)で残留農薬が検出され、基準が設定されていた22万9,629検体中29件(0.01%)が基準超過していた。
一方、畜産食品中の残留農薬検査では12年度で2,122検体中、9件(0.42%)、13年度で3,865検体中7件(0.18%)残留農薬が検出されたが、いずれも基準超過事例はなかった。
加工食品中の残留農薬検査では13年度調査でフライドポテト、発泡酒・ビールを調査し、対象となった250農薬、1万4,985検体中、4農薬、31件(0.2%)が検出された。また、14年度調査では、にんにくパウダー、乾燥ほうれん草、乾燥ねぎ、乾燥たまねぎ、乾燥キャベツ、凍結ほうれん草、凍結ねぎ、レーズン、プルーン、凍結いちごを調査し、対象となった297農薬、総検査数7,587件のうち、12農薬、18件(0.2%)に該当する農薬が検出された。
なお市場で流通している農産物を購入し、調理後に化学分析(注1)を実施し、農薬摂取量を調べた「残留農薬の一日摂取量調査」では、農薬ごとの推定一日摂取量が、13年度で許容一日摂取量(ADI 注2)の0.19〜31.04%、14年度0.04〜1.69%であり、いずれもADIを大きく下回っていることから、現在の摂取状況は安全上問題はないとされた。
(注1)13年度、14年度とも21農薬を対象に調査を行ったが、対象となる農薬はそれぞれ異なっている。
(注2)人が一生涯にわたって毎日摂取し続けても、健康に影響をおよぼさないと判断される量。1日当たりの体重1キログラムに対する質量として表される。【厚生労働省】