バイオマスからつくられた食器　職員食堂への導入実験結果を公表

【ごみ･リサイクル リサイクル】 【掲載日】2004.04.16 【情報源】農林水産省／2004.04.16 発表

　農林水産省は同省職員第５食堂と屋上の職員喫茶室で実験的に導入した、とうもろこしやおがくずなどのバイオマスからつくられたプラスチック食器について、（１）食堂利用者を対象にした使い勝手などについてのアンケート結果、（２）耐久性に関する物理化学試験、（３）リサイクル試験結果をまとめ、平成１６年４月１６日付けで公表した。
　バイオマス由来のプラスチック食器の導入は同省が文部科学省、経済産業省、国土交通省、環境省の４省と共同で取り組んでいるバイオマス資源の総合的な利活用についての戦略「バイオマス・ニッポン総合戦略」の関連事業として実施したもので、食器は平成１５年１１月１３日から４か月間繰り返し利用した。
　利用者アンケートでは、９割以上が普段利用しているプラスチック製食器に比べ、バイオマス由来プラスチック食器を「よい」または「変わらない」と評価し、９割が「バイオマス製品を今後も利用したい」と回答していたという。
　また、使用後の食器の耐久性を調べるために実施した物理化学試験では、使用日数に応じて、強度が低下したことが確認されたものの、カドミウム、鉛、重金属などの有害物質の検出がいずれも限度以下、分子量保持率もほとんど低下がみられず、継続利用に支障はないと結論されたほか、リサイクル試験では導入した３種のバイオマス由来プラスチックがいずれも、カップ、農業用杭、茶托にリサイクルが可能であることが確認された。
　なお、農林水産省ではバイオマス製品についての関心が高まり、バイオマス由来プラスチック食器の市場での普及が求められる中、より長期間の耐久性や食器の装飾技術について検証していく必要があるとし、今後もバイオマス製食器の利用場実験を継続するとの方針を明らかにした。【農林水産省】