一般財団法人環境イノベーション情報機構
反漁業キャンペーン対応での協力合意 日・EC漁業当局間ハイレベル協議
【自然環境 野生動植物】 【掲載日】2004.04.16 【情報源】水産庁/2004.04.15 発表
2004年4月15日、東京・霞が関の農林水産省庁舎内で日本と欧州委員会(EC)の漁業当局間ハイレベル協議が開催された。今回の協議では、(1)IUU(違法、無報告、無規制)漁業や過剰漁獲能力問題の解決のための協力、(2)2004年に開催されるさまざまな地域漁業管理機関会合での協力、(3)一部環境保護団体による反漁業キャンペーンに対応した、サメの資源保存措置、海亀・海鳥の混獲削減措置実施状況のアピールについての協力−−が合意されたほか、(4)ワシントン条約による商業海産種保護強化の動きに対しては「漁業管理の中で対策をとるべき」と方針をとることで意見が一致した。
また日本側は、WTOで検討されている水産物の関税撤廃が水産資源の持続的利用に悪影響をもたらすとして、ECに水産物を分野別関税撤廃の対象としないよう要請したが、EC側は分野別での関税撤廃検討は不適当とした上で、水産資源の管理問題をWTOで議論することは控えたいと回答した。
さらに日本側は2003年のIWC年次会合で、鯨の保護強化を目的とした保護委員会を設立する決議が採択されたことに対してもECに強い懸念を伝え、2004年のIWC年次会合ではEU諸国に科学的・合理的な対応をとるよう要請。これに対しEC側は「捕鯨問題はEU加盟各国の権限に属する微妙な問題であり、ECは一定の見解を示す立場にない」との立場を示し、議論を避けた。【水産庁】