一般財団法人環境イノベーション情報機構
IMO第51回海洋環境保護委員会 海洋汚染防止条約附属書4・5の改正採択
【地球環境 海洋汚染】 【掲載日】2004.04.12 【情報源】国土交通省/2004.04.05 発表
2004年3月29日から4月2日まで、ロンドンの国際海事機関(IMO)本部でIMO第51回海洋環境保護委員会(MEPC51)が開催された。今回の会合では(1)海洋汚染防止条約(MARPOL)の附属書4・5の改正、(2)バラスト水管理条約のためのガイドライン作成、(3)船舶のリサイクル、(4)船舶からの大気汚染防止−−などが議題となった。
このうち海洋汚染防止条約(MARPOL)の附属書4・5の改正については、船舶からの汚水排出による汚染防止規定を定めた附属書4の全面改正案と、船舶からの廃棄物排出による汚染防止を定めた附属書5の船上廃棄物記録簿の様式・注釈の改正案が採択された。採択内容の発行日はいずれも2005年8月1日だが、附属書4の改定内容についてはすでに国際合意がされていたことから、日本の海洋汚染防止法にも反映ずみ。
またバラスト水(船舶が空荷の時に重しとして積載する水)管理条約に基づくガイドライン策定については、バラストの交換と処理、沈殿物処理などのガイドラインを2005年7月開催予定の第53回海洋環境保護委員会までに作成することが決定されたほか、船舶のリサイクルについてはIMOリサイクルガイドラインの実施促進方法について、全体を一括して強制せずに関係国の事情に沿った形で遵守を促すとした日本案が支持され、その方向で第52回海洋環境保護委員会までに実施促進方法の詳細を検討していくことになった。
船舶からの大気汚染防止については、船舶の大気汚染防止策強化をめざす海洋汚染防止条約附属書6の批准国が13か国と、発効要件である15か国の批准に迫ってきたことが報告されたほか、国際航海に従事する船舶から排出される温室効果ガスの抑制が検討された。
外航船や国際線航空機などの国際交通機関から排出される温室効果ガスは、京都議定書に基づく各国排出量の報告対象外だが、IMOや国際民間航空機関(ICAO)が、気候変動枠組み条約事務局の要請により、排出削減方法を検討している。
今回の会合では2003年12月の第23回IMO総会で指示された、国際航海起源の世界全体の温室効果ガス排出量把握と、それぞれの船舶からの温室効果ガス排出指標作成が議論されたが、「すべての船舶を排出削減対象にすべき」と主張する日本・欧州諸国側と、「先進国だけの取り組みとすべき」と主張する中国・インドなどの途上国側の意見が対立し、結論は得られなかった。【国土交通省】