一般財団法人環境イノベーション情報機構
保安院が日本原燃「再処理施設品質保証体制点検結果報告書」への評価を公表
【エネルギー 原子力】 【掲載日】2004.04.02 【情報源】原子力安全・保安院/2004.04.02 発表
原子力安全・保安院は平成16年2月13日と3月17日付けで日本原燃(株)が同院に提出した「再処理施設品質保証体制点検結果報告書」に対する評価をまとめ、16年3月31日付けで同社に通知した。「再処理施設品質保証体制点検結果報告書」は青森県六ケ所村にある日本原燃の使用済燃料受入れ・貯蔵施設で起こった加圧水型軽水炉(PWR)の燃料貯蔵プール水漏水事故に関連し、保安院が同社の品質保証体制を厳重注意したことを受けて作成されたもの。
(1)設備・建物の健全性確認、(2)品質保証体制の自己評価と改善策の策定−−の2つの視点を柱にまとめられており、品質保証体制の改善策としては、トップマネジメントによる品質保証の徹底、再処理事業部の品質マネジメントシステムの改善、品質保証を重視した人員配置と人材育成、協力会社を含めた品質保証活動の徹底−−などの措置があげられていた。
なお今回の保安院の評価は資源エネルギー調査会原子力安全・保安部会に設けられた六ケ所再処理施設総点検に関する検討会の審議も踏まえたもの。
全体的な評価としては「再処理施設の健全性」については徹底的な点検がされ、評価できる内容となっているとする一方で、品質保証体制については多くの課題が浮き彫りになったと指摘。
今回まとめた品質保証活動の改善策だけでなく、今後も品質保証体制の不断の改善を進めていくこと、トラブルの可能性について外部と十分にコミュニケーションをとれる体制の構築、トラブル発生時に協力会社まで含めて適時的確な説明を行う体制の構築に取り組んでいくことが重要であるとした。
なお保安院としても、日本原燃の今後の品質保証体制の確立を厳格に監視していく方針。【原子力安全・保安院】