一般財団法人環境イノベーション情報機構
物流の環境負荷低減実験15年度経過報告 19件中C02削減計画達成は4件
【大気環境 交通問題】 【掲載日】2004.03.17 【情報源】国土交通省/2004.03.17 発表
国土交通省は平成16年3月17日、15年度に実施した幹線物流の環境負荷低減に向けた実証実験の状況をまとめ公表した。この実証実験は14年度から進められているもので、物流事業者や荷主などの関係者が協力して実施する、(1)輸送共同化、(2)モーダルシフト(輸送手段の転換)、(3)その他の方法−−によるプロジェクトについて、最長2年にわたり国が実験費用の3分の1を負担し実験を行っている。
15年度は14年度にスタートした7件と15年度にスタートした35件をあわせ、42件のプロジェクトが実施されており、今回はこのうち、16年1月末時点で1か月以上の輸送実績があるプロジェクト19件の成果がまとめられている。
公表内容によれば、19件のうちCO2排出削減量が当初計画を上回ったものはわずか4件で、残り15件は当初計画を達成できなかった。また15件のうち5件の削減率は当初計画の60%に満たなかった。
国土交通省によれば、作業員のコンテナへ積み込み技術の未習熟や、冬季の輸送需要の減少−−などの点が計画を達成阻害要因となっていたが、これらの要因は実験の進展に伴い既に解決ずみだという。
なお国土交通省は16年度も実験を実施する予定で、16年度は単位補助金あたり1年間のCO2排出削減量についての条件を応募要件から除くほか、トラックを大型化した場合や共同化した場合のCO2算出方法を提示し、これらの方法による実験を応募しやすくする方針。【国土交通省】