一般財団法人環境イノベーション情報機構
ICCATメバチ会議と世界メバチ会議がスペインで開催
【自然環境 野生動植物】 【掲載日】2004.03.17 【情報源】水産庁/2004.03.16 発表
スペインのマドリッドで、2004年3月8日・9日の両日に大西洋まぐろ類保存国際委員会(ICCAT)のメバチ会議が開催され、また翌10日から12日にかけて、世界メバチ会議が開催された。ICCATメバチ会議では、ICCATメバチ計画の研究成果の紹介と、近年漁獲量が増加しているメバチの資源状況把握のための(1)資源データの改善、(2)資源評価手法の検討、(3)DNA解析や標識放流による資源構造の見直し−−が議題となった。
データの改善に関しては、急増しているまき網による小型魚混獲の漁獲量データが不明確であること、はえ縄漁獲量が多い台湾、中国からサイズデータが出ていないことが指摘され、資源評価手法については検討を進めている新統合的資源解析モデルを従来の手法と並行させて試用することが決まった。
また資源構造の見直しについては、DNA解析により2タイプあることが判明した大西洋メバチの扱いが検討されたが、タイプによる分布に有意差がないことなどから、現在の一系群としての扱いを棄却するには至らなかった。
一方、世界メバチ会議では大西洋,インド洋,東部太平洋,中西部太平洋の各地域の漁業の動向、メバチの移動の生物的研究、資源評価について最新成果の発表や今後の調査・研究の方向性について議論が行われ、漁業の動向としては、まき網漁業が多用しているFADs(人工浮魚礁)による小型魚多獲が資源に影響を及ぼしている点に議論が集中した。【水産庁】