一般財団法人環境イノベーション情報機構
IMO船舶設計設備小委員会、重質油タンク二重構造化の方向性を合意
【地球環境 海洋汚染】 【掲載日】2004.03.09 【情報源】国土交通省/2004.03.08 発表
2004年2月25日から3月5日にかけてロンドンの国際海事機関(IMO)で第47回船舶設計設備小委員会(DE47)が開催された。今回の委員会では、新船に衝突や座礁などが起こっても油流出をおこしにくい二重構造タンクを適用すること、重質油を積載する燃料油タンクを二重構造にして防護することについての基本方向が合意され、今後対応グループを設置して条約改正案を作成し、次回委員会で検討することとなった。
また2003年の海上安全委員会で新造船での義務付けが合意されたバルクキャリア(一般貨物や固体のばら積み貨物の輸送船)の二重船側化に関して、義務付けの対象を「比重1立方メートルあたり1トン以上の貨物を運送する、長さ150メートル以上の新造船とするとともに、貨物倉への浸水に対する十分な復原性・強度を要求する海上人命安全(SOLAS)条約改正案を作成。この改正は12月の海上安全委員会で採択される予定となった。
一方、2002年12月の海上安全委員会でSOLAS条約に取り入れられた固定点検設備の基準のうち、「タンカーの全デッキトランスへの検査点検用足場の設置」が産業界の提案で全面的に削除となったほか、現在2万載貨重量トン以上の油タンカーに義務付けられている非常用曳航装置の適用拡大についても、慎重な検討が必要として、次回委員会に検討が見送られた。【国土交通省】