筑後川水系小石原川ダム建設事業環境アセス書に対し国交大臣が意見提出

【環境一般 環境アセスメント】 【掲載日】2004.03.09 【情報源】国土交通省／2004.03.09 発表

　国土交通省は平成１６年３月９日、筑後川水系小石原川ダム建設事業の環境影響評価書に対する国土交通大臣意見を事業実施者である独立行政法人水資源機構に提出した。
　筑後川水系小石原川ダムは水資源機構が事業主体となり、福岡県甘木市、朝倉郡小石原村に貯水面積１２０ヘクタールの規模で建設が予定されているダム。
　近隣の佐田川・寺内ダムがすぐ満水になることから、寺内ダム上流の佐田川から小石原川の江川ダム側へ導水を行い、有効利用できる水量を増やすことが設置の目的。
　今回の国土交通大臣意見は（１）環境保全措置の実施にあたって可能な範囲内で新技術を取り入れる、（２）事後調査の実施結果が保全対象動植物の生態に関する基礎資料として活用できるよう配慮する、（３）江川ダムと寺内ダムを関連づけた運用で、下流の河川環境に配慮した操作方法を更に検討する、（４）今後の環境調査・対策の内容や費用を公表する−−の４点を指摘したほか、１６年２月にまとまった環境大臣意見を踏まえ、（５）事業実施によるクマタカの生息への影響が確認された場合に適切な保全措置を実施する、（６）オニコナスビなど移植の成功が不確実な一部の重要植物について事前の移植試験を実施する、（７）富栄養化がみられる寺内ダム貯水池で水質改善のための曝気循環施設を適切に運用する−−といった内容も盛り込まれている。【国土交通省】