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環境ニュース[国内]

神栖町の井戸水汚染問題で、地下水汚染範囲の井戸水飲水中止などの方針が決定

健康・化学物質 有害物質/PRTR】 【掲載日】2004.03.01 【情報源】環境省/2004.02.25 発表

茨城県神栖町内の井戸水の中から高濃度の有機ヒ素化合物ジフェニルアルシン酸が検出され、周辺住民に手足のしびれなどの健康被害が発生している件で、環境省は平成16年2月25日に検討会を開催し、健康被害救済事業の対象者に申請した人のうち、11人を新たに対象に加えるとともに、4人を事業の対象外にすることを決定した。
 救済事業の対象となるのは、申請者のうち飲用井戸水、爪、毛髪などからジフェニルアルシン酸が検出された者。対象者として認められた人に対しては、健康診査の実施、医療費の自己負担分と療養手当の給付が行われる。
 2月25日までに315人が申請を行ったが、今回決定分を含めうち110人が救済事業の対象者として認められ、184人が対象外と判断されたことになる。
 なお今回の検討会では、このほかに神栖町のジフェニルアルシン酸による地下水汚染の範囲はA・B2つの井戸を中心とした半径500メートル以内の地域に限定されていることが報告され、(1)この範囲内にある井戸の飲水中止を県が指導すべきこと、(2)この範囲内にあり、茨城県が実施した調査で総ヒ素が検出された178井戸について、国がジフェニルアルシン酸の分析を早急に行うべきこと−−などの対応方針も決まった。
 ジフェニルアルシン酸は戦後製造されていない化学物質。汚染があった地域の周辺には第二次世界大戦中に旧日本軍の中央研究所と航空隊の神之池飛行場が設置されていたことがあり、これらの施設との関連が推測されている。【環境省】

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