一般財団法人環境イノベーション情報機構
原子力施設への告発情報2件について調査結果を公開 04年2月27日までの調査終了分
【エネルギー 原子力】 【掲載日】2004.03.01 【情報源】原子力安全・保安院/2004.02.27 発表
原子力安全・保安院内に設置された「原子力施設安全情報申告調査委員会」は2004年2月27日付けで、原子力施設に関する告発情報2件の処理状況を公表した。今回公表された告発情報は2004年1月29日から2月27日までの間に裏付け調査が完了したもの。
(1)日本原子力発電(株)敦賀発電所2号機の第3回〜第6回定期検査時に、制御棒の外観点検で摩耗による被覆管貫通が発見されたにもかかわらず、情報が発電所内で隠蔽されたとの指摘、(2)日本原燃(株)再処理施設で地震対策のための振動吸収設備と思われる設備の上下が建物に固定されており、振動を吸収し得ないのではないかとの匿名の指摘−−がその内容だ。
(1)については、日本原子力発電に対する報告徴収や過去に提出された資料を検討した結果、指摘にあった制御棒摩耗による被覆管貫通の事実は確認されなかったと結論された。
近い内容としては第3回〜10回の定期検査ごとに予防的に耐摩耗性の優れた改良型制御棒に取替えた記録が残っており、また、第3回定期検査時には制御棒摩耗による取替えも行われていたが、この件は当時記者発表されており、隠蔽されていないと説明された。
一方(2)については、指摘のあった構造物は、熱によるダクトの伸びを吸収する伸縮継手であり、地震対策のための振動吸収設備ではないと結論された。【原子力安全・保安院】