一般財団法人環境イノベーション情報機構
ベンゼン濃度、14年も全国的に低下
【大気環境 大気汚染】 【掲載日】2003.11.15 【情報源】環境省/2003.11.14 発表
環境省は平成14年度に地方公共団体が実施した有害大気汚染物質の大気環境モニタリング調査結果を環境省の調査結果と併せ、平成15年11月14日までにとりまとめた。調査は大気汚染防止上の優先取組物質(注1)とされている22物質のうち、測定法が確立している計19物質を対象に実施している。
19物質中、環境基準が設定されているベンゼン、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン、ジクロロメタンの4物質について、測定値と基準値を比較した結果では、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン(環境基準値はともに200μg/m3)の2物質については、すべての測定地点で環境基準値を下回っていたが、ベンゼン(環境基準値3μg/m3)は測定地点409地点の8.3%にあたる34地点で、ジクロロメタン(環境基準値150μg/m3)も測定地点351地点の0.3%にあたる1地点で環境基準値を超過していることがわかった。
ベンゼンの測定点中、環境基準超過があった地点の割合は10年度が46%であったが、その後は11年度が23%、12年度が20%、13年度が18%と徐々に改善されてきている。またベンゼンの全国平均濃度も平成10年度の1立方メートルあたり3.3μgから今回は2.0μgにまで低下したことが確認されている。
ガソリン中のベンゼン含有量基準が平成12年に5%から1%以下に引き下げられたことなどが効を奏しているとみられる。
(注1)平成8年10月に中央環境審議会がまとめた「今後の有害大気汚染物質対策のあり方について(第2次答申)」の中で有害大気汚染物質としてリストアップされた234物質のうち、人の健康に関するリスクがある程度高いとして選定された物質。【環境省】