一般財団法人環境イノベーション情報機構
国の施設の水質や室内環境測定実施率は「懸念される状態」
【環境行政 行政資料】 【掲載日】2003.08.27 【情報源】国土交通省/2003.08.26 発表
国土交通省は平成15年8月26日、平成14年度の「国家機関の建築物等の保全の現況」をまとめ公表した。この報告は昭和60年度に「建築物保全の現況について」としてスタートしたもので、(1)官庁施設の保全実態調査の集計・分析結果、(2)改善意見−−を掲載するとともに、施設管理者が参照すべき(3)保全関連法令の制定・改正の概要、(4)近年発生した建築物関連の主な事故・故障例とその対策例−−などの情報もまとめている。
このうち(1)の保全実態調査は、すべての国家機関の建築物とその附帯施設を対象に、(一)保全計画書・保全台帳・光熱水使用量の記録などの整備状況、(二)各種定期点検の実施率、(三)飲料水・排水水質、空気環境などの測定、貯水槽・排水槽・空調吹出口・換気口などの清掃実施率、(四)空気環境の規定値満足度や建物の劣化度などの保全状況−−について調査を行ったものだが、全体的な評価は判定C(評点40点以上60点未満)で「努力を要する状況」と評価された。特に、水質や室内環境測定の実施率は全体を通じて判定D(評点40点未満)となっており、「施設管理者が施設の衛生状態の維持、測定状況の把握を行っていないことが懸念される」と問題視される状況となっている。
なお調査の今後の課題として、建物の生涯二酸化炭素排出量削減の観点から光熱水の使用量を分析・評価する必要性も指摘されている。【国土交通省】