一般財団法人環境イノベーション情報機構
「温泉の効能表示、浴槽内の状況と差」 公取委が指摘
【自然環境 その他(自然環境)】 【掲載日】2003.08.05 【情報源】公正取引委員会/2003.07.31 発表
公正取引委員会は温泉表示についての実態調査をまとめ、平成15年7月31日に公表した。温泉法では源泉の泉温や効能物質の含有量を基準に温泉であるかどうかの判断を行うとしているが、浴槽内の温泉の状態に関する規定はない。実態としては源泉の湯量不足を補うために、源泉を加温、加水、循環ろ過し再利用することは盛んに行われているという。
今回の調査の中で、旅行パンフレットや旅館業者のホームページ内の表示事例を収集したところ、「天然温泉であること」、「泉質・効能表示」、「源泉の数・湯量」などの源泉に関連する表示が確認され、中には「天然温泉100%」などの源泉利用を強調している表示がみられたことが報告されている。
一方、「源泉100%」という表示について、消費者モニターにアンケートを行った結果では、「天然資源である温泉を利用している温泉」(29.6%)、「源泉をそのまま利用している温泉」(28.3%)との回答が多く、加水・加温・循環ろ過などを行わない「源泉をそのまま利用している温泉」と受け止めていることが判明した。
このため公正取引委員会ではこの報告書の中で、加水、加温、循環ろ過を実施している温泉で「天然温泉100%」などの表示をすることは「消費者の誤認を招く」と問題視したほか、治療目的の療養泉の効能表示も、表示が源泉を基準に判断したものであり、浴槽内の湯にあてはまらない場合があることを明確化する必要があると指摘している。【公正取引委員会】