ＩＭＯ第４９回海洋環境保護委員会、一重構造タンカーの規制強化を検討

【地球環境 海洋汚染】 【掲載日】2003.07.23 【情報源】国土交通省／2003.07.22 発表

　２００３年７月１４日から１８日にかけて、ロンドンの国際海事機関（ＩＭＯ）本部で、ＩＭＯ第４９回海洋環境保護委員会（ＭＥＰＣ４９）が開催された。
　今回の会議では２００２年１１月にスペイン沖でプレステージ号の沈没事故で深刻な油汚染が発生したことから（１）タンカー規制強化が審議されたほか、（２）バラスト水（船舶が空荷の時におもしとして積載する水）中に混入した水生微生物の管理条約案、（３）船舶のリサイクルガイドラインの審議、（４）外航船舶から排出される温室効果ガスの削減問題−−が議題となった。
　このうちタンカー規制強化については、ＥＵが海洋汚染防止条約附属書１改正案を提案。審議の結果、（１）船体が一重構造のタンカーの２０１０年までの廃船化、（２）一重構造タンカーでの重質油輸送禁止−−などの内容を反映した条約改正案が作成され、１２月の次回海洋環境保護委員会で採択される予定となった。
　またバラスト水については、その中に取り込まれた水生微生物が本来の生息地以外の地域に運ばれ、生態系に影響を与えることを防止する目的で、船舶の種類ごとにバラスト水管理の義務内容を定めた条約案が作成され、２００４年春に新条約採択のための外交会議を開催することが決まった。
　さらに船舶のリサイクルについては、国、海運会社、造船所、解体事業者などの役割を記述した「船舶リサイクルのための技術ガイドライン」が審議され１１月の総会で決議される見込みとなったほか、船舶からの温室効果ガス排出削減問題についても、削減のための戦略を示す総会決議案が合意された。【国土交通省】