一般財団法人環境イノベーション情報機構
足尾国有林に残った荒廃地の一部を現状保存、環境学習に活用へ
【環境学習 その他(環境学習)】 【掲載日】2003.06.03 【情報源】林野庁/2003.05.30 発表
林野庁は栃木県の足尾国有林に残った荒廃地のうち、下流への影響がない松木沢の右岸部約400ヘクタールを、現状のまま残す「観測監視地区」として設定することにした。足尾国有林は、かつて山火事や銅の精錬による有毒ガスの影響で、1万5,280ヘクタールの国有林のうち1,670ヘクタールが荒廃地化し、洪水を引き起こす要因にもなっていた。
このため、林野庁では製錬方法の改善により煙害がなくなった昭和31年から緑化事業を開始、平成14年度までに842ヘクタール分の緑化を完了し、周辺の生態系の回復も進んできている。
今回あえて荒廃地を残すことになった「観測監視地区」は、緑化を行った地域と比較対照することによって、治山事業の役割や自然環境に対する理解を深める環境学習材料にしてもらう方針。足尾環境学習センターで自動監視カメラから随時画像を観ることができるように整備を行うほか、人手を入れない場合の斜面の侵食状況や植生の回復状況の観測、監視を実施する予定だ。【林野庁】