一般財団法人環境イノベーション情報機構
有明海や英虞湾のしゅんせつ土 有望な固化技術みつかる
【水・土壌環境 その他(水・土壌環境)】 【掲載日】2003.04.14 【情報源】水産庁/2003.04.07 発表
有明海や英虞湾のしゅんせつ土の利用法について、しゅんせつの事業主体である水産庁、福岡県、熊本県、佐賀県、三重県が共同調査を行った結果、貝殻を原料とする固化剤を混入することにより、覆砂材、干潟造成材として再利用できる可能性があることがわかった。有明海や英虞湾のしゅんせつ土は水分の含有量が高かったため、従来、再利用先が限定され、また陸上処分する際には高額な処理費用がかかることが問題となっていた。
なお今回調査した方法で固化処理した後の土は、実験室内での物理・化学特性の検証実験で、有害物質の溶出がなくpHが中性に保たれたまま強度・耐久性を維持していることが確認された。固化剤の原料が貝殻であるため、環境不可が少なく、水産系副産物の再利用の観点からも評価できるという。
調査に参加した各県は今後、しゅんせつ土を再利用した場合の漁場環境への影響、コストの低減などについて更に検討していく方針。漁業協働組合に協力を仰ぎながら、モデル的に再利用事業を進め、データ収集を行っていく予定だ。【水産庁】