中部電力、国内初となる自然由来ガスを用いた環境調和型の電力会社向けGISを受注

【エネルギー バイオマス】 【掲載日】2022.08.26 【情報源】企業／2022.07.12 発表

　中部電力は、東京電力パワーグリッド株式会社（東電PG）向けに、自然由来ガスを用いたガス絶縁開閉装置（GIS）を受注した。本件は、国内で初となる自然由来ガスを用いた電力会社向けGISで、2022年12月末までに据付完了を予定している。

　今回受注したのは東電PGの府中変電所（東京都府中市）のリプレース案件で、72kVのGIS。本製品は、絶縁媒体として地球温暖化ガスであるSF6ではなく、安全性が高く、かつ漏えい時の地球温暖化への影響がない窒素および酸素の混合ガス（ドライエア）を用いる。本製品は2020年より同社が株式会社明電舎と進めてきた共同開発の成果であり、所定の形式試験を完了し、販売を開始している。同社はGIS全体を、明電舎は主要部品である真空遮断器（VCB）部分の開発を担当し、本製品においてもVCBは明電舎から供給を受け、同社の浜川崎工場でGISを製造する。

　同社グループは、1960年代よりGIS開発に着手し、1969年には日本で最初となる72kV GISの商用運転開始に貢献するなど、GIS全体の製品開発ノウハウを多く持っている。一方、環境負荷低減対策として、自然由来ガスを用いた機器の研究開発を15年以上行ってきている。
　欧州および北米を中心に電力用SF6ガスの環境規制が進展している状況を見据え、環境リスクが無く、かつ取扱いも簡便な自然由来ガスを用いた電力機器を「AEROXIA TM」ブランドとして国内外で製品拡充していく。本製品は変電所のデジタル化にも対応し、IEC61850規格に準拠した監視・診断システムが搭載可能となる。
【東芝エネルギーシステムズ株式会社】