一般財団法人環境イノベーション情報機構
化学物質の環境リスク評価 第2次取りまとめ分の結果を公表
【健康・化学物質 有害物質/PRTR】 【掲載日】2003.01.21 【情報源】環境省/2003.01.21 発表
環境省は平成14年度に続き、行政施策上、リスク管理の優先度が高いと考えられる化学物質を対象として環境リスク評価を実施し、その結果を中央環境審議会の環境保健部会化学物質評価専門委員会の審議を経て、第2次取りまとめ分として公表した。化学物質の環境リスク評価は、評価対象とする化学物質の(1)人の健康や生態系に対する有害性を特定し、用量(濃度)−反応(影響)関係を整理する「有害性評価」、(2)その物質の人や生態系に対する環境経由の暴露量を見積もる「暴露評価」−−の2種類の評価を行い、双方の結果を比較し、総合的なリスクの程度を判定するもの。
また本格的な環境リスク評価は、(一)多数の化学物質の中から環境リスクが高い物質を絞り込む「初期評価」を実施した上で、(二)有害性・暴露に関する知見を充実させ、環境リスクの低減方策を検討する「詳細評価」を行うことが想定されている。
今回の評価では、13物質について人の健康・生態系両面についての初期評価を、69物質について生態系のみに対する初期評価を実施したほか、パイロット事業として、これまで初期評価を行った物質のうち、発がん性が認められた物質について、発がん性定量的リスク評価(6物質)と発がん性定性的評価(19物質)を実施した。
なお健康・生態系両面についての初期評価を実施した13物質の評価としては、4−t−オクチルフェノール、クロロホルム、ノニルフェノールの3物質が詳細評価候補として抽出され、生態系のみに対する初期評価を実施した69物質のうち、22物質が詳細評価候補とされた。一方、発がん性リスク評価では、定量的評価で塩化ビニルモノマーとホルムアルデヒドの2物質が詳細評価候補に、定性的評価でアクリロニトリル、アセトアルデヒド、酸化プロピレン、1,2−ジクロロエタン、1,3−ジクロロプロペンの5物質が定量的なリスク評価を行う候補と判定された。【環境省】