一般財団法人環境イノベーション情報機構
花王・イオン、関東−中部のトラック輸送で中継開始、異業種間で初、CO2削減
【地球環境 地球温暖化】 【掲載日】2016.06.08 【情報源】企業/2016.06.07 発表
花王と、イオンの物流子会社のイオングローバルSCMは、関東−中部地区間のトラック輸送で積み荷の中継を6月7日に始める。静岡県内で両社のトラックがトレーラーを交換し、相手の配送先に運ぶ。異業種企業の間で初めての取り組みで、復路の積載不足が解消されて、効率的に輸送できるようになる。運行本数が減り、CO2排出量が削減できる。これまでは両社とも、1台のトラックが関東と中部地区の間を往復2日間で自社商品を輸送していた。新たに導入する中継輸送では、関東と中部から両社のトラックがそれぞれ自社の商品を運び、運送会社の静岡営業所でトレーラーを交換して引き返す。効率的な輸送が可能になり、CO2排出量を約12%削減する。運賃コストは27%抑えられる。
両社とも現行方式では、1人のドライバーが往復1泊2日の長距離輸送を行っていた。しかし新しい方法だと日帰り勤務が可能で、自宅で休むことができるようになる。ドライバー1人あたりの拘束時間が12時間以内に減り、最適な勤務体制の構築によって業務効率を高められる。CO2削減、コスト低減、ドライバーの負担軽減の利点がある。
花王は環境負荷低減の取り組みを進め、CO2削減を目的に供給網で連携して取引先との共同輸送を実施してきた。今回、トラック輸送での実車率を高めた運用で、環境負荷をさらに抑制する。イオングローバルSCMは環境に配慮した物流を推進し、その一環で中継輸送を採り入れた。効率輸送で環境負荷が少ない物流システムの構築を目指す。