一般財団法人環境イノベーション情報機構
東芝、川崎市役所のデマンドレスポンス実証で電力消費を削減、アズビルも実証実施
【エネルギー 省エネルギー】 【掲載日】2016.03.31 【情報源】企業/2016.03.25 発表
東芝は、川崎市と実施した同市役所第3庁舎(同市川崎区)の冬の使用電力デマンドレスポンス(DR)=需要応答=実証で、1月13日〜2月4日の期間中に、電力消費量を最大12.0%削減した。アズビルも同市とともに、同市の部局が入る川崎御幸ビル(同区)で1月20日、2月4、22日に同様にデマンドレスポンス実証を行い、電力消費量を16.8%削減した。どちらも川崎市の「川崎駅周辺地区スマートコミュニティ事業」の一環で行った。東芝の実証は、東芝が仮想的に発行した需要抑制の依頼に対して、市役所第3庁舎にある空調設備の負荷を手動で調整し、消費電力削減量、応答時間などを評価した。できる限り需要を低減する方式では、DRをしない場合と比べて電力消費量が最大12.0%、平均7.4%削減できた。
空調を停止することなどに伴う室温の低下は1.5℃程度で、ビル施設内の快適性に大きな影響はなかった。削減目標を設定する方式では、6回の試行で2回は目標をやや上回ったが、ほぼ目標に近い電力消費量の削減を達成した。既設ビルや中小ビルへの展開を踏まえて、手動で空調機器の運転を制御した。東芝の試算では自動制御と同等の効果が得られた。
アズビルは仮想的な需要抑制の依頼に対して、自社の集中管理センターから、現地のビルエネルギー管理システム(BEMS)を通じて遠隔制御で空調機の電力消費を削減した。その結果、実施通知前30分間の平均値に対して、最大16.8%、平均12.9%の削減効果を確認した。室内は設定温度で推移し、CO2濃度は基準以下だった。両社は実証結果を事業に生かす。【(株)東芝】